久米vs巨大ナメクジ

今日はジョイント帰り、極悪おさむカーにヒヤヒヤしながらも、ひょんな事から始まった”久米vs巨大ナメクジ”という壮大な妄想ストーリーに着色しながら書きたいと思います。ひょんな事って枠を通り越したほど、バカバカしぃひょんな事ですけどね。もちろん、フィクションなんでご心配なく。
 全世界は、異常というのも異常なくらいの異常気象によりぶ厚い雲に覆われ、その名の通りの”暗黒世界”と化してしまった。雲は日々小雨を降らし続け、日光を遮り、黒人を白人に変えてしまうほどの暗くてジメジメした世界を創り上げてしまった。人々は日を増すごとにやる気を無くし、生きる気力を亡くす者も少なくない。もちろん日本も例外ではなく、大人の8割がニートという”絶望と宗教にまみれた民主主義国家”となってしまった。その一方で、異常というのも異常なくらいの異常発生をし続ける生き物がいた。そう、”ナメクジ”である。
 人間は始めナメクジの天敵物である”伯方の塩”で対抗したが、やつらのオス・メス関係のない増殖により有明海も干上がる始末。しかし、奴らはこの絶望的状況をさらにどん底に突き落とす、ライオン並の鬼のような秘密を隠し持っていた。 
 そう、奴らはここである驚くべき能力を発揮したのである。”合体”。”スライム”のようにポンポンと合体し、”キングスライム”ならぬ”キングナメクジ”となり、人類の残り少ない食料をむさぼりまくったのである。しかし、普通のナメクジは最大でも20000匹以上の合体はできない事が”WNR”(ワールド ナメクジ ラボラトリー)の調べでわかった。だが、例外というものはいつの世にも普遍にあり、50000匹の合体が可能なキング オブ ナメクジ”ボスナメクジ”が世界を牛耳っていた。こいつを倒さずには世界の平和を保てない。
 そこで食いついたのは元プライド選手高田延彦である。ただの”ボスナメクジ”退治では面白くないと呑気にも言い放ったのである。バーリトゥードで”人間対ナメクジ”の地上最強の生物決定戦をやろうと。それに食いついたのは世界のメディア。連日のナメクジ報道ではもう金は集まらず、このナメクジ騒動の劇的でエンターテイニングな終末を全世界に生放送で届ければ金になるというのである。しかし、誰も未だかつてこのようなナメクジと戦ったことがないというので全人類代表が決まらずにいた。そりゃーそうである。
 人類の行く末を背負った人選に高田も頭を悩ます日々が続いた。そんな高田に一通の手紙が届いた。”野菜を心底嫌い、肉しか食わず『嫌いなものは嫌いなんだから、仕方ね−だろー』が口癖の人類最強の肉食獣が調布にいる”と。そう、その人類最強の肉食獣こそが、我らが軽音の誇るキーボード久米である。
 もちろん、高田は調布に赴き”三顧の礼”を以て久米に頼み込んだ。しかし、かかっているのが世界の行く末であるために久米もためらった。実家、群馬に帰りヘビ博物館を見学しても答えは出なかった。
 そうこうしてるうちに時の流れは無情にも過ぎていき、ついに決戦当日を迎えた。誰もがテレビ・ラジオを通して、未だ悩んでいる久米の登場を待った。しかし一向に久米は来ない。誰もがナメクジとのSEXを覚悟した瞬間、久米はリングに姿を現した。大いに湧く全人類に、大地も興奮しているかのように全世界を振るわせた。まさに男の中の男、久米。ヒーローは遅れてやって来るものである。
 『カーン』
 全人類はそのゴングを待っていた。その音は鼓膜をこおり越し、直に脳に伝わり、全ての感情を引き出す事に成功した。皆、狂いまくり鼓膜を破り、喉を潰した。”久米vs巨大ナメクジ”という超ド級のスーパードリームマッチが幕を開けたのである。
 試合序盤、両者は互いに互いの出方を伺い見つめ合ったまま動かない。久米に至っては”巨大ナメクジ”ではなく、かかっているもの大きさに動けないといった風である。しかし、試合はいきなり動くものであるということを改めて認識した。
 ナメクジは、久米の遅れて登場という心理作戦や全人類の歓声により戦意喪失してしまった。後を向き立ち去ろうとした瞬間、意を決して久米はここぞとばかりにナメクジに襲い掛かった。あっという間に背中に飛び乗り、タコ殴り。というか、ナメクジ殴り。
 これにナメクジにも火が着き、久米を払いのけると一気にコーナーまで詰め寄せる。得意の”のしかかり”に出た。これには久米も手足が出せず、なされるがままナメクジの巨体に沈みゆく久米。このまま試合続行不可能かと、全人類は再びナメクジとのSEXを覚悟した。しかし、久米はこれで終わるような男ではなかった。
 のしかかられながらも久米は一発一発に魂を込めて殴り続けた。その一発一発は全人類の心に響き、ナメクジの心臓にも響き渡った。これは堪らんとナメクジは後退し出した。それでも殴り続ける、久米。いつしか久米がパンチを放つ毎に、全人類が絶叫し海は大荒れとなった。
 ダウン寸前のナメクジに、なおも殴り続ける久米。これが全身全霊のラッシュとばかりに久米はマトリックスばりのラッシュを見せた。大きなナメクジの巨体がゆっくりとマットに沈み行く。1R 4:32 KO。しかしレフリーの制止も振り払い、なおも久米は殴り続けた。やっとの思いでセコンド陣が久米を止めると。久米は我に帰った。久米は、いや人類は勝ったのだ。
 すると自然に空が晴れ渡った。日光が大地を照らし、黒人は黒人に戻り、ナメクジたちは合体を解除しブロックの下に非難しようとしたが、もちろん入りきらず、一面にナメクジ達の干上がった跡が残った。
 その何ヵ月後、世界は平静を取り戻し、東京の電車もまたパンパンに人が乗り込んでは運び、戻り、それを繰り返す。久米もいつしか世間から忘れ去られ、普通の生活に戻っていたが一つだけ昔と変わっていた。彼女ができた。いつしか、その子との子供に”お父さんは巨大ナメクジと戦って勝ったんだぞ”と誇り、その子の自慢のお父さんになる日も遠くはないかもしれない。
 やっと書き終わったw書き始めていくと、ホントにこの物語を終わらすことが可能なのか不安だったw頑張って終わらせましたよ。延々と続きそうでした。最後までちゃんと読んだ人は少ないと思います。読んでくれた方、バカですねー。ジョイント後なのに、案外元気などうも、僕です。次回はそのジョイントについて書こうと思います。